免税販売手続とは


1.免税とは何か?

「免税」とは、読んで字の如く「税金を免除すること」という意味があります。
税金も様々な種類があって、対象となる税金の範囲によって「DUTY FREE」と「TAX FREE」の2種類があります。「DUTY FREE」とは、関税法により出国者に対して消費税・関税・酒税・たばこ税等を免除して販売することです。日本では主に国際空港の出国エリアのDUTY FREE SHOPで対応します。一方の「TAX FREE」は、消費税法に基づき非居住者に対して、一般物品、消耗品(後述します)の消費税を免除して販売することで、日本では市街地のTAX FREE SHOPで対応しています。ここでは、「TAX FREE」、つまり消費税を免税することについて書いていきたいと思います。

※公益財団法人 東京観光財団 東京都免税店支援公式サイト
https://taxfree-tokyo.jp/faq/duty-tax-free


2.免税販売手続き

一般の小売店が免税販売を実施する場合には、「免税店」になる必要があります。「免税店」とは、外国人旅行者に対し消費税を免税して販売できる店のことです。「免税店」になるためには、所轄の税務署に対して届け出を行い、「識別符号」の交付を受ける必要があります。
「免税店」になると、免税販売が出来ます。
免税販売をする場合には、購入者が免税対象者であることを確認する必要があります。対象者は「非居住者」です。「非居住者」とは、「入国後6ヶ月未満の外国人観光客」等が該当します。そのため、免税販売手続きにあたっては、パスポートにて「上陸許可」認印の確認が必要です。その上で、パスポート情報を記録しておく必要があります。
次に、購入商品の確認です。免税対象物には「一般物品」と「消耗品」の2種類あります。「消耗品」とは、食品類、飲料類、薬品類等です。「一般物品」は「消耗品」以外になります。購入品は、「消耗品」「一般品」いずれに該当するのかを明らかにした上で記録します。なお、いずれも同一店舗における購入額は税抜5千円以上が対象となります。
この手続きによって、消費税分を購入者に還付することが出来ます。小売店によって、一旦税込みで精算したのちに消費税分を還付する(タックスフリー式)、もしくは還付金を計算した後に請求額を確定し請求する(リファンド式)、いずれかの手続きをとることになります。


3.免税販売手続きの注意事項

免税販売手続きの注意事項は主に2つです。1つは、「消耗品」については、同一店舗における1日の購入額上限が50万円以下であるということです。つまり、「消耗品」は50万円超の場合、免税対象にはなりませんので、ご注意下さい。
2つ目は、消耗品は販売時に日本国内で消費ができないよう、決められた体裁で梱包することが求められます。
なお、「一般物品」は「消耗品」と同様の梱包をすることで、「消耗品」との合算が可能になります。


4.免税販売手続きの電子化について

2021年10月より、免税販売手続きの電子化が義務となります。
従来は免税販売手続きを手書き処理することが認められていましたが、2021年10月以降は購入記録情報(パスポート情報及び購入レシート情報)を電子的に入力し、国税庁へ送信しなければならなくなりました。これにより、パスポートへの購入記録票の貼付・割印などが不要となります。
購入記録情報の国税庁への送信は、自社送信(免税店自らが送信する方法)と他者送信(承認送信事業者を介して送信する方法)を選択出来るようになります。とは言え、国税庁への送信手続きのためには、送信システムの開発や購入が必要となります。中小の小売店にとっては送信システムを自社に担うことの経費負担は小さくありません。実際には、他者送信を選択し、購入記録情報の送信業務を免税販売手続きベンダーに委託する企業が多くなると思われます。委託費用は様々であり、小売業のニーズに合致したベンダーを選択することが求められます。

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